ポルトガル紀行:4日目(8/24) バターリャ
a0039199_20223563.jpg

ファティマの西約20km、「バターリャ」へ。
「バターリャ」はポルトガル語で「戦い」という意味。この町にはその戦いの勝利を示す、巨大な修道院があります。

ポルトガルは、1139年にスペインから独立、その後平和な日が続いていましたが、1385年に王位継承問題が起こると、王位を狙ってスペインが攻め入ってきました。
そして8月14日、バターリャ近郊のアルジュバロッタで、スペイン王の甥のフォン1世率いる3万人のスペイン軍と、わずか6,000人の兵を率いるジョアン1世が一騎打ちに。
ジョアン1世が、勝利を与えてくれれば壮麗な教会を建立すると聖母マリアに誓うと、奇跡が起きたようにスペイン軍は撤退、ポルトガル軍は勝利を収め、独立を守ったそうです。

実際の勝因は地形が味方したためだそうですが、3年後の1388年、ジョアン1世は約束通り、戦闘場所のアルジュバロッタから数キロ離れた地に修道院の建設を開始しました。

《世界遺産》
勝利のサンタ・マリア修道院
バターリャ修道院とも呼ばれていますが、正式名称は、サンタ・マリア・ダ・ビトリア修道院(Mosteiro de Santa Maria da Vitória)。
a0039199_20231669.jpg

1388年に始まった建設は、16世紀初頭まで、代々の王と建築家に引き継がれ、その結果、ゴシック様式とマヌエル様式が混在するポルトガル屈指の大建造物となりました。
もちろん写真はほんの一部。
a0039199_20233281.jpg

12使徒の彫刻のある入口を通って
a0039199_2024566.jpg

教会内部へ。
a0039199_20261935.jpg

奥行80m、高さ32m。非常に簡素ですが、ステンドグラスが彩りを与えています。
a0039199_20264940.jpg

a0039199_2027273.jpg

創設者の礼拝堂
a0039199_2027244.jpg

中央には、手をつないだジョアン1世と王妃の棺。
a0039199_20313673.jpg

周囲にはいくつもの棺があって、こちらはエンリケ航海王子の棺。
a0039199_20315219.jpg

王の回廊
a0039199_20323871.jpg

初代建築家アフォンソ・ドミンゲスによって造られたゴシック様式の簡素な回廊に、リスボンのジェロニモス修道院を手掛けたボイタックがマヌエル様式の装飾を施しました。
a0039199_2033959.jpg

参事会室
広い部屋には柱が1本もありません。建設中は、20mの天井が落ちるのではないかと騒がれたそうです。
工事は死刑判決を受けた囚人達によって仕上げられたそう。
建築家アフォンソ・ドミンゲスは、完成後一夜をここで過ごし、安全を証明。舌を出した彼の顔が一画に刻まれています。
が、部屋全体の写真も舌を出したアフォンソ・ドミンゲスの写真も撮影し忘れました。

というのも、こちらが気になったから。
a0039199_20332455.jpg

何でこんなところに衛兵が?と思ったら、無名戦士の墓だそうです。
第一次世界大戦で、フランスとアフリカで戦死した2人の無名戦士が眠っているそう。
a0039199_20334133.jpg

ちょうど衛兵の交替式が始まりました。
a0039199_2033565.jpg

お墓の上の十字架にかかるキリスト像は、実際に戦場で立てられていたものだそうです。そのため、膝から下がなくなってしまったのだそう。リアルですね。
a0039199_2034874.jpg

一度外に出て、まわった先が
未完の礼拝堂
a0039199_20342632.jpg

屋根がありません!
屋根まで造ってから内部の細かい装飾に移るのかと思っていたら、下から造り始めて、屋根は一番最後なんだそう。
ジョアン1世の息子ドゥアルテによって1435年に建設が始まり、マヌエル1世に引き継がれましたが、完成を見ずに他界。ジョアン3世統治下の1533年を過ぎる頃から建設が中断されたそうです。
7つの礼拝堂が8角形の建物の中心から放射状に広がって造られています。

未完の理由には2つの説があります。ひとつはジェロニモス修道院の建設が始まり、建設技師がリスボンに移動、そのあおりを受けての人材と建築資材の不足。もうひとつは設計ミス。礼拝堂の大伽藍は、巨大な天井を吊り支えるには力学的に不可能なので取り止めたという説です。

1本の柱のアップ。
a0039199_20344275.jpg

ポルトガル独特のマヌエル様式の柱には、アフリカやアジアの珍しい動物や、珊瑚や海草、ロープなど、海に関するものをモチーフとした細かい装飾が施されています。
いろんな動物がいたのですが、写っていないですね(汗)。

未完の礼拝堂は、TOPの写真の右端のほうにも写っています。
ポルトガルのゴシック・マヌエル様式を代表する建造物であるこの修道院は、1983年に世界遺産に登録されました。
バターリャは、修道院のまわりに町ができたので、見るべきところも修道院くらい。
次は、ポルトガル最大規模の教会を持つ、世界遺産、アルコバサの修道院へ。
by camille_31 | 2006-11-18 23:05 |  ポルトガルとグルメ
<< ポルトガル紀行:4日目(8/2... ポルトガル紀行:4日目(8/2... >>