ポルトガル紀行:4日目(8/24) アルコバサ
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アルコバサはバターリャの南西約10km。
こちらも修道院とともにできた小さな町。
アルコア川とバサ川が交わる場所にあるので、アルコバサと名付けられたそうです。

ポルトガルを建国したアフォンソ・エンリケスは、レコンキスタ(国土回復運動)に協力し、ポルトガルからイスラム教徒を追い出したシトー派修道会に感謝し、この地に修道院を建てました。
質素・簡素・禁欲を旨とするシトー派の姿勢は、この修道院の建築にも現れています。

1985年に世界遺産に登録されたこの修道院は、王室の悲恋物語の主人公「ペドロ王子とイネス」の石棺が安置されていることでも有名です。
ふたりの悲しい恋のお話については後述しますね。

《世界遺産》
サンタ・マリア修道院
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1178~1252年に建設。
完成後も増改築が続けられ、現在のバロック様式のファサードは18世紀に改築されたものだそうです。
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荘厳な空気が漂う教会内部。
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シトー派の質素・簡素・禁欲の姿勢が現れた、一切の装飾を排した簡素な作り。
教会内部の幅23m、高さ20m、奥行き106mはポルトガル最大の規模だそう。
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右側の翼廊に安置されている
ペドロ王子の石棺
6頭のライオンによって支えられ、側面に聖バーソロミューの生涯が彫られています。
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左側の翼廊には、ペドロ王子の棺と向き合って、イネスの石棺が置かれています。
こちらの石棺は、イネスを殺した人たちを獣に例え、顔が人間、体が獣の6匹の怪獣に支えられ、側面には、キリストの誕生から再来までのレリーフが刻まれています。

王の間
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ポルトガル歴代王の像が飾られ、
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壁面下部は修道院の歴史などを描いたアズレージョで装飾されています。
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首がなくなっている王の像や、像そのものが台からなくなっているものがあるのですが、1755年11月1日のリスボン大地震で落ちてしまったのだそう。

厨房の隣にある
貯蔵庫
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この他、食堂、厨房、修道士の寝室なども見たのですが、何故か1枚も写真がありません。ショック・・・。説明を聞くのに必死になっていたのかしら?

この修道院には、最盛期には1,000人もの修道士が生活していたそうです。
当初は1日1回しか食事をしなかった修道士たちも、18世紀になると堕落して肉食するようになり、肥満者が増えたとのこと。食堂の壁には幅の狭い木製のドアがついていて、ここを通り抜けられない修道士はダイエットをしなければならなかったそう。
また厨房には、巨大な煙突や大理石の調理台、水場、流しなどが残っていて、当時の様子が偲ばれてとても興味深かったです。

修道院前の町並み。
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*** ペドロ王子とイネスの悲恋物語 ***

ペドロ王子は、父アフォンソ4世の命令によりカスティーリャ王国のコンスタンサ姫と結婚しますが、その侍女のイネス・デ・カストロと恋に落ちてしまいます。
父王の怒りを買ったふたりは引き離されますが、コンスタンサが亡くなると、ペドロはイネスとの関係を公然にし、3人の子どもも生まれました。しかし、カスティーリャ王国の圧力を恐れた王と家臣によって、イネスは殺されてしまいます。
やがて王位についたペドロは、イネス殺害に加わった者をすべて処刑にし、イネスの遺骸を掘り起こして、正式な妻として教会に認めさせました。イネスの遺体に化粧を施し、絹の衣装を着せ、王妃の椅子に座らせ、その手にキスすることで、重臣達にも王妃として認めさせたそうです。

ペドロの遺骸は、彼の遺言により、イネスとともにアルコバサのサンタ・マリア修道院に安置されています。
ふたりの棺が向かい合った形(互いに足を向けた形)で置かれているのは、復活したときに、最初に目にするのがお互いの姿であるように、とのためだそう。

ちなみに、3日目に訪れたコインブラには、「涙の館」と呼ばれるイネスが住んでいた館があります。裏の庭園には、ペドロ王子と愛を語らった「恋人たちの泉」があり、その奥の「涙の泉」は、イネスがのどを切られて殺された場所。流した涙でできた泉と言われ、そこにある赤い石は、そのときのイネスの血で染まったと伝えられています。
by camille_31 | 2006-11-20 23:41 |  ポルトガルとグルメ
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