白金台 「カンテサンス」 でランチ
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ずっとずっと行きたかった「レストラン カンテサンス」
予約が取れないお店として有名な、パリの2つ星レストラン「L'Astrance(アストランス)」でスーシェフを務めていた岸田周三氏が昨年5月11日にオープンしたお店です。
(追記:『ミシュランガイド』2007年版で、「アストランス」は3つ星に昇格しました。)

あちこちで話題になっていて、行かれた方皆さんが絶賛されているので、私の「行きたいお店リスト」のトップにずっと居座っていたお店。なので、お誘いいただいたお店の予約が取れなかったときに、真っ先にこのお店をリクエストしました。

ご一緒したのは、第1回日本酒の会のメンバー、MAKIMIさんGLOBEさん、そして友人Tちゃん。ランチに伺いました。
で、ちょっとわかりづらい場所にあるこのお店、全員が迷いました(笑)。

空間コンセプトが「コアシンプル」だという店内は、シックでモダン。
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写真に写っていない、壁側には、椅子と同じ黒のレザーのソファー。
シンプルでスタイリッシュでありながらも、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。大人の空間。
ソファーには、同じレザー張りのクッションが置かれているのも嬉しい。

テーブルに案内される前に、ウェイティングスペースでメニューを手渡されました。
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右半分は、白紙! お値段が書かれているだけです。
予約時と、当日に再度苦手な食材を尋ねてくださいますが、あとはすべてお任せ。その日の材料、その時々のインスピレーションにより作られるという「キュイジーヌ・コンテンポレーヌ(現代的な料理)」。
ランチは7皿前後で7,350円、ディナーは14皿前後で15,750円です。

まずはシャンパンで乾杯。お店の方がおすすめくださったアングルで(笑)。
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テーブルには、店名「Quintessence」が彫られた大理石。4人ともちょっとずつ色が違いました。
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この上に最初に置かれたものは
スイートポテトとサツマイモのコンソメ
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「甘くないスイートポテトです」と説明されましたが、ほんの少しふりかけられた大粒のゲランドの塩が、サツマイモの自然な甘みを引き立てています。手前のピーカンナッツオイルとの相性もバッチリ。
温かい「サツマイモのコンソメ」は、まるで焼き芋を食べているような味がふんわり口の中に広がります。体の芯まで温まるやさしいお味。

パン
パンはメゾンカイザー。ちょっと酸味のあるパンです。
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塩とオリーブ油が主役 山羊乳のヴァヴァロア
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フルーティーなオリーブオイルと塩。この上なくフレッシュな山羊ミルクのババロア。上には削られた百合根とマカデミアンナッツがのっています。
ほんっとに美味しい! 山羊のチーズが苦手な方でもこれなら絶対大丈夫。クセもなく、まろやか。そして口の中でとろ~りととろけます。
山羊ミルクにクセもコクもない分、塩とオリーブオイルの味が際立ちます。こんなに美味しいオリーブオイルは初めて。塩のバランスも絶妙です。
百合根とマカデミアンナッツが程よいアクセントになって、食感もすばらしい。

帆立、里芋、ベトラヴのタルト
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まるでデザートのような色鮮やかなお皿。「ベトラヴ」=ビート(甜菜、砂糖大根)。
ベトラヴと新鮮な帆立と里芋がミルフィーユ状に重ねられています。
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見た目の鮮烈さとは対照的に、あっさりさっぱりとしたお味。ただ、ちょっとナイフで切りづらかったな~と(笑)。
手前の白っぽいのは洋梨です。

“熟成させた村公一さんの鱸”を螺鈿のように光る火加減で
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鱸(スズキ)は、これ以上はないと思われるほど、最高の火の入れ加減。
「螺鈿のように」光るお造りはよく見るけれど、火の通ったもので虹色に輝いているのは初めて!(この写真ではわからないですね。ごめんなさい。)
緑色のペーストはホウレン草のソース。これが絵の具のようで、「このお皿自体、まるでパレットのようね~」というのが全員一致した感想。
鱸には塩がパラリとふられていて、これだけでとても美味しいのですが、やはり単独でいただいても美味しいホウレン草のソースをつけていただくと、更に味わいが広がります。
手前の泡状のものは春菊のソース。

軍鶏の3時間ロースト、オレンジソース
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ガラスのお皿ですが、お皿もちゃんと温めてあります。
片隅(左上)にゲランドの塩、もう一方の隅にはガーリックペースト。
こちらの火の通し加減も最高! この美しい色とジューシーさは、低温で3時間もかけてじっくり焼かれたたまもの。
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軍鶏と言えばその歯ごたえが特徴的ですが、こちらは弾力がありつつもふんわりやわらかで、皮はパリパリ。
添えられたレンズ豆のガレットも美味し~い。

2度焼いたビスキュイ
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いろ~んなところで拝見していたので、楽しみにしていました。
「Bis」=二度、「cuit」=焼いた。二度焼きされたビスキュイを粉々に砕いて粉末にし、卵やバターを加えてもう一度焼き上げたものだそう。
説明をお聞きしてもっとパサパサした感じをイメージしたのですが、食べてみたらスポンジケーキのようにしっとりなめらかで、ふんわり。中には甘みのないココナッツクリーム。

メレンゲのアイスクリーム
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上にのっているのはルバーブ。下にもルバーブのソースがちょっぴり。最近、ルバーブをスィーツに使うのが流行っていますね。
メレンゲのアイスクリームは、なめらかで、口に入れた途端に溶けてしまいます。甘くてコクがあるのに軽い。不思議~。ルバーブのほのかな酸味ともよく合っていて、大満足。

お紅茶
お紅茶の色が美し~い。色は薄いですが、味は渋め。
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最初から最後まで感動の連続でした。
ひとつひとつの素材の持ち味を最大限に引き出した、絶妙な火の入れ加減と味付け。
ソースでいただくという従来の古典フランス料理とは全く異なり、シンプルな味付けとその繊細さは、「和」に通じるものを感じさせます。
それぞれの食材の状態がピークを迎えたときに召し上がっていただきたい、という思いから、テーブルごとにお料理が異なる、というのにも驚きました。
そしてミネラルウォーターの種類が豊富なのも嬉しいところ(今回私たちがいただいたのは「VOSS」)。
「Quintessence」=「物事の本質、神髄、エッセンス」 に対するシェフの気魄が伝わってくるようでした。

12時の予約だったのですが、やはり最後の客となって、お店を出たのは15時半近く。もちろん追い出されることはありませんでしたが(笑)。
帰り際にはシェフもご挨拶に出てきてくださいました。年齢を存じ上げてはいたけれど、実際にお目にかかると、本当にお若い!
サービス担当の方おふたりとシェフは、私たちの姿が見えなくなるまで見送ってくださいました。
近いうちに是非再訪したいです!


「restaurant Quintessence (レストラン カンテサンス)」
東京都港区白金台5-4-7 バルビゾン25 1F
TEL 03-5791-3715(予約専用)
TEL 03-5791-3711(インフォメーション)
Lunch 12:00~15:00(L.O.13:00)
Dinner 18:30~23:00(L.O.20:30)
定休日:日曜中心に月6日ほど、夏季休暇、年末年始


■GROBEさん:GLOBE-TROTTER
 「restaurant Quintessence(カンテサンス)@白金台」 その1その2

■関連記事:
 白金台 「カンテサンス」 でランチ No.2 (07/04)
 白金台 「カンテサンス」 でランチ No.3 (07/05)
by camille_31 | 2007-02-10 16:55 |  FRENCH
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